特定社労士とは

社労士の仕事と言えば、一般的に一号~三号業務と言われる、書類や帳簿の作成・提出代行・事務代理、そして人事労務および社会保険分野におけるコンサルティングが基本となりますが、平成19年に、そこに「第四の仕事」が加わりました。

「第四の仕事」とはどんな仕事かというと、一言で言えば「紛争解決手続代理業務」です。
そもそも社労士というのは「人事労務分野のプロフェッショナル」であるわけですが、分野の特性上、仕事をしていくうえで経営者と労働者との間でトラブルが生じることも珍しくありません。

これまでは、そうしたトラブルが発生した際、解決は裁判に委ねるしかなかったわけですが、「第四の仕事」として「紛争解決手続代理業務」が新たに加わったことで、裁判に依らず、社労士の仲裁のもとで話し合いによって円満解決を目指せるようになりました。
そうした「紛争解決手続業務」を行うことができる社労士のことを、通常の社労士と区別して「特定社労士」と呼びます。

「紛争解決手続業務を行うことができる社労士」がいる一方で、「同業務を行うことができない社労士」というのも存在します。というよりも、単に社労士試験に合格しただけでは、この紛争解決手続業務は行うことができません。「特定社労士」になるためには、一定の条件をクリアする必要があります。

特定社労士になるためにはまず、全国社会保険労務士会連合会が行う「特別研修」をすべて受講する必要があります。この「特別研修」というのが実はクセモノで、内容のボリュームの多さから、かなりハードな研修として知られています。

「特別研修」を無事修了したら、そこで特定社労士になれるわけでなく、さらに「紛争解決手続代理業務試験」を受験し、それに合格しなければなりません。試験合格後、所定の申請をして、「特定社会保険労務士証票」の交付を受けて、ようやく特定社労士になることができます。

特定社労士になることで、社労士としての仕事の幅が格段に広がることは間違いありません。ただし、研修と試験の2つの関門を突破しなくてはならないということで、負担が大きいのもまた事実です。
開業社労士を目指すのなら、ぜひおすすめしたいところですが、もし就職をして企業内社労士を目指すのなら、そこまで無理して取得する必要はないかもしれません。